伝染病
かわいい仔犬を迎える前に、おそろしい病気があるという事を知っておいて下さい。
これらの病気はワクチン接種で防げるので、一生涯、必ず、最低7種以上の混合ワクチンを接種して下さい。

ここをクリックジステンパー
ここをクリックパルボウイルス性腸炎
ここをクリックコロナウイルス性腸炎
ここをクリック犬伝染性肝炎
ここをクリックケンネルコフ
ここをクリックレプトスピラ症
ここをクリックフィラリア症
ここをクリック狂犬病


ジステンパー「有効な治療薬がなく死亡率が高い

急性で高熱を発するウイルス性感染症の代表的な病気で、伝染力が強く、かつ死亡率の高いおそろしい病気です。
初期にはおもに高熱、下痢、肺炎など消火器と呼吸器の障害があらわれ、食欲不振、元気がなくなってやせてくる、そして結膜炎、角膜炎による膿性の目やにが出るなどがあげられます。
1歳未満(とくに生後3〜6ヶ月)の幼若犬がかかりやすいのですが、成犬でも発病します。

☆原因

ジステンパーは、イヌジステンパーウイルスというウイルスに感染することによって発病します。
このウイルスは、イヌの口や鼻から体内に侵入します。
ジステンパーにかかったイヌのくしゃみの飛沫などを浴びたり(飛沫感染)、そのようなイヌの鼻水や目やに、尿などに口や鼻がふれて感染(直接感染)します。また、ウイルスが付着した食べ物などを介して間接的に感染(間接感染)することもあります。
口や鼻から入ったウイルスは、体の組織の中に入って全身に広がっていき、さまざまな臓器をおかしていきます。放置しておけば、最終的には脳まで障害をきたしてしまいます。


パルボウイルス性腸炎「はげしい嘔吐と下痢」

パルボウイルス感染症には、離乳期以降のイヌがかかる「腸炎型」と、生後3〜9週目の仔犬がかかる「心筋炎型」の2つの病気の型があります。
そのうち広く発生し、しかも重要なのは腸炎型です。この病気にかかったイヌは腸がおかされ、嘔吐と血液のような下痢をするようになります。
パルボウイルス性腸炎は、発病するとわずか1〜2日で死亡することが多いおそろしい病気です。

☆原因

この病気はイヌパルボウイルスに感染することによっておきます。
このウイルスのおもな感染経路は、感染したイヌの便や嘔吐物、それらに汚染された食器、そして感染したイヌと接触した人の手指や衣類などです。それらにイヌが口や鼻をつけると感染(経口感染)します。
パルボウイルスは動物の体の中の細胞分裂のはげしい組織に住みつきやすく、その感染先のひとつが腸なのです。
パルボウイルス性腸炎は、生後2〜3ヶ月をすぎるどの年齢のイヌでもかかる可能性がありますが、母イヌから受けついだ抗体が消える生後10週〜12週くらいの幼犬に集中します。
治療が遅れると、嘔吐や下痢などがあらわれてからわずか1〜2日で90%が死亡します。
成犬でも25%が死亡するこわい病気です。



コロナウイルス性腸炎「幼犬は重病におちいる」

重要なイヌのウイルス性腸炎のひとつで、下痢と嘔吐がおもな症状です。
とくに幼犬が感染するとはげしい症状を示します。
イヌパルボウイルスとイヌコロナウイルスに同時に感染(混合感染)すると致命的になることがあります。

☆原因

イヌコロナウイルスの感染によっておこります。
コロナウイルスは、感染したイヌの嘔吐物や糞便中に排出されます。
これらの汚物をなめたり、汚染された食器で食餌をしたりすると、口から感染します(経口感染)。
イヌの体内に入ったウイルスは、とくに小腸の細胞で増殖して、下痢などの消火器障害をおこします。
イヌコロナウイルスだけの単独感染では比較的軽症ですみますが、イヌパルボウイルスとの混合感染が多く、その場合には症状も重く、死亡率が高くなります。

イヌ伝染性肝炎「仔犬が混合感染すると危険」

イヌ伝染性肝炎は、イヌ科の動物だけに感染するウイルス性肝炎で、とくに離乳直後から1歳未満の幼若なイヌでは感染率、死亡率の高い病気です。
伝染性がたいへん強く、回復したイヌでも、ウイルスは数ヶ月にわたって尿中に排泄されます。
しかしワクチンを接種していれば発生を予防することができます。

☆原因

イヌアデノウイルスには1型と2型の2つの型がありますが、本病はイヌアデノウイルス1型(イヌ伝染性肝炎ウイルス)に感染せておこります。
2型は、イヌ伝染性喉頭気管炎ウイルスとよばれています。
感染は、発病したイヌ、あるいは回復はしたが体内にこのウイルスをもっているイヌの尿や唾液、あるいはウイルスに汚染した食器や衣類をイヌがなめることによっておこります。
口から入ったウイルスは、口腔喉頭部の粘膜から近くのリンパ節に入り、さらに血液によって全身の臓器に運ばれます。とくに肝臓の細胞におおきな障害がおこり急性の肝炎になります。
またウイルスは、イヌが病気から回復したあとも約6ヶ月間は腎臓に集中して存在し、尿中に排泄されます。
このようなイヌの尿は感染源です。
本病は年齢を問わず感染しますが、仔犬に発生することが多く、その症状もたいへん重くなります。


ケンネルコフ「せきが出る呼吸器の病気」

呼吸器の感染症で、おもな症状は強いせきをすることです。
そのため俗にケンネルコフ(犬舎のせきの意味)ともよばれています。
イヌジステンパーに感染したときにもせきが出ますが、本病はジステンパーとは違う伝染性の気管炎で、がんこなせきをする呼吸器の病気です。

☆原因

原因としては、数種のウイルス、マイコプラズマ、および細菌などがあげられています。それらは単独で感染するときと、複数が混合感染するときがあります。混合感染では死亡率が高くなります。
原因のおもなものは、パラインフルエンザウイルス(呼吸器の病気でいちばんよく認められるウイルス)とイヌアデノウイルス2型(呼吸器の病気の中でとくに重症型にみられるウイルスのひとつ)です。
マイコプラズマという細菌の感染は、ウイルス性の呼吸器症状をさらに悪化させます。そのほか気管支敗血症菌という細菌も関与しています。以上のような病原体の単独感染あるいは混合感染によってこの病気は発生します。この病気に感染せているイヌがせきやくしゃみと一緒にウイルスや細菌をまき散らして、イヌからイヌに直接的に広がっていきます。


レプトスピラ症

この病気はレプストピラとよばれる細菌の感染によって、出血性の黄疸や尿毒症をおこす感染症です。
一般には急性から慢性まで幅広い症状を示しますが、死亡率もかなり高い病気です。

☆原因

この病気をひきおこすレプトスピラ菌には多くの種類がありますが、主要な細菌はイヌレプトスピラ菌と黄疸出血レプトスピラ菌の2種類です。
これらの病原菌は保菌動物の尿中に排泄されます。ネズミからの感染も多いです。
一般的にはレプトスピラ菌はイヌの血液中や臓器でふえ、とくに腎臓の中の尿細管へ移って、感染後1年ぐらい生存するといわれています。
イヌへの感染は、排泄されたレプトスピラ菌を含む尿から感染します。


フィラリア症

イヌフィラリア症は、イヌ糸状虫症ともよばれ、蚊の媒介によってフィラリア(イヌ糸状虫症)がイヌからイヌへと感染しておこる病気です。
フィラリアはおもにイヌの心臓と肺動脈に住みつき、心臓をはじめとして肺、肝臓、腎臓などにさまざまなダメージを与える、イヌにとって非常に重大な病気のひとつです。
フィラリア症には予防薬があります。獣医師の指示にしたがって定期的に薬を飲ませていれば感染は予防できます。

☆原因

フィラリアは乳白色をしたそうめんのような形の細長い虫で、オスは体調12〜18cmメスは25〜30cmほどです。イヌに寄生しているフィラリアは、オスとメスが交尾して、メスは血液中に体調0.2〜0.3ミリほどのミクロフィラリアとよばれる子虫を生みます。この子虫はイヌの血液とともに全身をまわり、蚊がイヌをさしたとき血と一緒に吸引されるのを待ちます。蚊に吸われたミクロフィラリアは、蚊の体内で2週間くらいで感染子虫に成長します。そして、宿主の蚊がイヌをさしたときにイヌの体内に侵入します。
イヌの体内に入った感染子虫は、皮下組織、筋肉などの内部で2〜3ヶ月かけて2センチほどの体調に発育してから血管に入り、血液にのって心臓の右心室および肺動脈に移動します。そこでさらに成長をつづけ、成熟するまでに3〜4ヶ月かかります。つまり、フィラリアは感染後、約6ヶ月ほどで一人前に成長します。
ちなみにイヌの心臓内でフィラリアの成虫は、およそ5〜6年も生きています。
この寄生虫に感染しているイヌでは、右心室から肺動脈にかけて多数のフィラリアが寄生しています。そのため血液の流れが悪くなり、心臓に負担がかかって心不全となり、結果的に肝臓や腎臓、肺などの重要な臓器がうっ血をおこして、心臓肥大、肝硬変、腎不全などいろいろな病気をひきおこします。


狂犬病「発病したら致命的な伝染病」

狂犬病は致死率100%のもっともおそろしい、人間と動物に共通する急性のウイルス感染症です。
意識障害と中枢神経系の興奮とまひが、この病気の特徴です。

☆原因

狂犬病ウイルスの感染が原因です。ウイルスは発症しているイヌ(動物)の唾液中にふくまれています。このウイルスをふくんでいる唾液が噛み傷などを通じてほかのイヌ(動物)の体内に侵入し、感染します。
狂犬病ウイルスは、自然界においては人間やイヌをはじめとするすべての哺乳動物に感染します。

最初にこのページに来られた方はココをクリックしてください。